1024沖縄戦戦没者遺骨調査・奉還に関する沖縄シンポ報告

 

20191024日、沖縄で「沖縄戦戦没者遺骨調査並びに韓国人遺骸奉還のための提言」の題で、シンポジウムがもたれた。

 シンポでは、東アジアの平和と遺骨発掘、朝鮮人強制動員の調査、朝鮮人遺骨の発掘、沖縄戦への動員と朝鮮人遺骨などのテーマでさまざまな報告がなされた。シンポの報告者と討論担当者は20人超えるものだった。ここではこれらの報告と討論のなかから、主なものをあげておく。

 大法院判決は、65年体制(韓米日3角同盟)を解消し、過去清算運動の地平をひろげるものである。

 被害者の被害回復を求める権利とは、原状回復、賠償、更生、満足、再発防止保証の全面にわたるものであり、満足と再発防止保証には、加害国での歴史教育や責任者の処罰も含まれる

 調査を十分におこなわず、謝罪を求めないなど過去を清算せずに返還を優先すると、結果として遺骨本人や遺族の意向を無視し、歴史を消してしまうことになる。

 日韓市民による説明板の同時設置を提案するなど「共有する歴史」の形成に取り組んでいきたい。

 強制動員人権財団法の制定、歴史財団の強化、南北共同記憶センターの設立などの課題をあげたい。

 沖縄の嘉数にある青丘の塔は戦争と動員への反省や謝罪の言葉はない。遺骨は話さないが、どのように声を聞いていくのかが大きな務めである。

 遺族に死亡するまでの経緯を調べ、なぜ遺族の元に返せなかったのかをきちんと説明する必要がある。

 「真実の反対は偽りではなく、飾られた話」という。解決には真実の究明、名誉回復、慰霊、賠償、人権・平和教育が必要である。

 遺骨に発掘により、国民統合、人権、平和の確立をつくる、両国の理解が必要。報告書を作成して歴史記録を残すこと、それが信頼を得る。

 韓国政府による、ミリなど南洋での強制動員調査被害の実態調査、遺骨収集、記念事業に至るまで体系的な活動が始めることが求められる。

 韓国政府が日本政府に外交ルートで要請した遺骨問題の実務協議の再開を直ちに受け入れるべきである。韓国人の沖縄戦遺族のDNA鑑定をすすめるべき。

 沖縄の健堅の朝鮮人遺骨の返還は軍人軍属の遺骨であり、日韓の両政府の協議の上ですすめられるべきだ。

 宗教が再び政治の道具になってはならない。朝鮮人遺骨に関する日本の責任を明示し、誠実に反省すべきであり、その日まで日本の地で日本の宗教儀礼で弔われるべき。

 シンポの翌日、1025日には沖縄の本部町、堅健の彦山丸関係遺骨の埋葬地で、追悼会がもたれた。追悼の言葉と僧侶の読経の後に、参加者が献花した。

また、当時の状況を知る3人の住民の証言を聞く会がもたれた。彦山丸関係の死者について、住民の中村英雄さんは浜辺で遺体が焼かれた場をみた。巡査に日本兵がいない際に遺体の火の番をさせられた、焼き場は5メートルくらいであり、灰になった骨が集められ、堅健に埋められたと証言した。友利哲夫さんは軍属にされた朝鮮人が疲れきって道路に横たわっていると、日本の将校が蹴飛ばすなど行為をしていたと、渡久口港の現場で証言した。